お熱がでたら |
*平熱は知っておいた方がいい?
赤ちゃんの体温は、月齢によって変わってきます。また、活発に動いているときと静かに寝ているときでも違います。それから外気温にとても影響を受けるので、季節によっても変わってきます。ですから、これがふだんの熱だというものはなかなか決めにくいので、多少、体温が高いからといって、むやみに心配することはありません。
ふだん、36.5度の体温の赤ちゃんが、37.2度でも元気に遊びまわっているなら、まず、心配のないことが多いのです。
ただ、赤ちゃんは、それだけ体温が変わりやすいので、熱を測ってみるときには、暴れまわっていたり、入浴したあとでないか、部屋が暖かすぎないかなどにも気をつけてみましょう。
*頭を冷やすと熱は下がる?
頭を冷やすのは、熱を下げるためではなくて、気持ちよく休めるようにするためです。もし、赤ちゃんが気持ちよくて喜ぶなら冷やしてあげましょう。でも、無理に冷やす必要はありません。
水枕、アイスノンなどなんでもよいのですが、タオルを使って冷やす、赤ちゃんの喜ぶ方法があります。まず、タオルを水につけて軽くしぼったものをビニール袋に入れて、冷凍庫で冷やします。ある程度冷えたら、それを袋のまま置いて、上に乾いたタオルを敷いて赤ちゃんの頭をのせてあげるので
す。いくつか用意しておいて、温まったら取り替えてあげましょう。カチカチになっても厚さが薄いのでゴリゴリしません。
*部屋の温度や着るものは?
熱が上がっている間は寒くてブルブルふるえたり、手足が冷たくなったりしますので、そういうときは、一枚多めに着せたり、ふとんをかけて暖めてあげましょう。
でも、熱が上がりきってしまったら、熱を発散させやすいように、着るものも少なめにして、涼しく過ごしやすくしてあげましょう。
厚着をさせて汗をかかせると熱が下がる、とおばあちゃんにいわれたお母さんもいるかもしれませんが、体温の調節がじょうずにできない赤ちゃんは、熱がこもって、かえって体温が上がってしまいます。
熱があるときは、汗をかきますので、タオルなどでよくふいて、着ているものをこまめに取り替え、さっぱりさせてあげましょう。
部屋の温度はいつもと同じか少し涼しめにします。
*入浴や外遊びは
熱があるときは、お風呂はやめておきます。熱で体力が弱っている赤ちゃんが、お風呂に入って汗をかくと、よけいに弱ってしまう可能性があるからです。
でも、もしお尻がただれて真っ赤になってしまうようなら、赤ちゃんは辛い思いをしてしまいますね。そんなときは、洗面器にお湯を入れて、お尻だけを洗ってあげましょう。これなら赤ちゃんが汗をかいて疲れることはないので、熱が高くても大丈夫です。
また、お湯でしぼったタオルで、からだをふいてあげれば、赤ちゃんはさっぱりしますね。
熱が下がって丸二日たって、食欲があれば、咳や鼻水が残っていても、入浴してかまいません。
熱があるあいだは、お部屋の中で遊んだり、窓越しに外を見せたりして、外遊びは控えておきましょう。
*水分をたくさんあげる
赤ちゃんにとってこわいのはからだの水分が足りなくなることです。熱があるとたくさん汗をかきますから、水分は十分にあげましょう。飲みたがるものなら、白湯、ジュース、野菜スープなどのスープ類、スポーツドリンク、赤ちゃん用のアルカリイオン飲料、なんでもかまいません。喜んで飲むようなら、氷水でもいいでしょう。
赤ちゃんは、水分が足りなければとたんにおしっこが出なくなるので、おしっこの量をめやすにします。いつものようにおむつがぬれるぐらい飲ませてあげましょう。
そのためには、紙おむつより、布おむつにしておいたほうがわかりやすいですね。
おっぱいをよく飲むなら、それでも十分です。ただ、ミルクの場合には、おっぱいに比べてやや濃いので、ほかの水分をあげたほうがいいでしょう。
*おっぱいやミルク、離乳食は
飲んだり食べたりしてくれるなら、いつもどおり与えますが、離乳食は、消化の悪い肉や脂肪の多い食品などは、少し控えめにします。
もし食欲がないのなら、のどごしのよいプリンやヨーグルトが食べやすいでしょう。
でも、無理に飲ませたり食べさせる必要はありません。栄養のことは心配せずに、その分、十分に水分をあげましょう。
*解熱剤はどんなときに使う?
元気がよくて、水分も充分にとれているなら、涼しくして休ませてあげればいいのですが、熱でふうふういって苦しそうなときは、解熱剤を使う必要もでてきます。その場合、38.5度以上というのをめやすにします。
ただし解熱剤は、熱の原因になっている炎症を押さえるものではなく、あくまでも一時的に熱を下げる役目をするだけです。効き目がなくなれば、また熱は上がるということを覚えておきましょう。
もし、また熱が上がって苦しそうなとき、解熱剤を連続して使う場合は、8時間以上、あいだを空けるようにします。
解熱剤は汗をかかせて熱を下げるものなので、その分、水分を十分に補ってあげましょう。
医師の診察を受ける前に使ってもかまいませんが、その場合は、必ず時間と量を医師に伝えて下さい。
*解熱剤で熱は下がりすぎることはない?
赤ちゃん用として処方されたものならば、決められた量を、一定のあいだをおいて使えば、体温が下がりすぎるという心配はありません。
赤ちゃんは、突然熱を出すことが多いので、かかりつけの医師に、少し余分に解熱剤を処方してもらっておき、冷蔵庫に保管しておくといいですね。
もし、外出先で急に熱を出したというようなときは、市販の解熱剤を使ってもかまいません。ただ、その場合は、薬屋さんで買うときに、「赤ちゃん用」の解熱剤ということをはっきり伝えます。
たとえおとな用の解熱剤があったとしても、絶対に使わないでください。いくら量を少なくしたとしても、おとな用のものは、赤ちゃんにとっては強すぎる成分が入っています。
- ★熱ってこわいもの?
- 急に高い熱が出ると、ほんとうに心配になってしまいますね。でも、熱は、からだの中に入ってきた細菌やウイルスをやっつけるために出るので、熱そのものがこわいわけではありません。
また、いつも動きまわっている赤ちゃんに、寝ていなさいなんていっても無理ですよね。でも熱が高いと、ふうふういって動けなくなって静かに寝ています。つまり、熱は、安静にしていたほうがいいよという、生理的な反応ともいえるわけです。
急に熱が出て40度になったから重い病気というわけではありません。むしろ、本当にこわいのは、数日間下がらない熱です。たとえば肺炎は、最初は風邪の症状が主で、3日も4日も熱が続いているうちに、肺炎という病気に移行していくのです。
熱が高いと脳に障害を残すのではないかと心配するお母さんもいると思いますが、そんなことはありません。脳に障害が残るという可能性があるのは、脳炎などを起こした場合であって、熱のせいではないのです。
熱は、病気になったよというサインですが、病気そのものではありませんので、熱が高い低いといって一喜一憂しないで。
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